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北海道大学等、肝臓移植後の拒絶反応、薬なしで2年以上(2016.2.19)NEW

北海道大学等、肝臓移植後の拒絶反応、薬なしで2年以上

 北海道大学と順天堂大学のチームが、肝臓移植の拒絶反応を免疫抑制剤使わずに抑制する方法を開発しました。すでに7名の移植患者が免疫抑制剤なしに2年以上にわたり日常生活を送っており、拒絶反応もみられないとのことです。今後は他臓器移植への応用、すでに免疫抑制剤を長期服用している患者や脳死移植への応用も視野にいれているそうです。

肝移植後の拒絶反応、薬使わず抑制…特殊な細胞投与(読売新聞ヨミドクター 2016.2.19)

20160219-023-OYTEI50010-L.jpg 北海道大と順天堂大のチームは18日、生体肝移植後の拒絶反応を、副作用の多い免疫抑制剤を使わずに抑える手法を開発したと発表した。10人の患者のうち7人が免疫抑制剤を服用せずに日常生活を送り、残り3人も薬の量を減らすことができた。患者の負担を減らし、生活の質が向上すると期待される。
 移植された臓器は、体内で「異物」と認識され、免疫によって攻撃される。患者は免疫抑制剤を飲み続ける必要があるが、免疫機能が弱まるため、感染症やがんを発症しやすくなるほか、腎不全や糖尿病などの副作用の恐れがあった。
 チームは、臓器提供者と患者から採取したリンパ球を混ぜて培養して、臓器を異物として攻撃する免疫細胞の働きを抑える特殊な細胞を作製。北大病院で39~63歳の男女10人の患者に投与して、免疫抑制剤を段階的に減らした。7人は完全に服用を中止でき、うち4人は3年以上、3人は2年以上経過しても拒絶反応はないという。残り3人は軽い拒絶反応があり、服用を中止できなかったが、量を減らせた。
 日本外科学会理事長の國土典宏・東京大教授の話「移植に携わる医師にとって夢のような治療と言える。他の臓器の移植にどう広めていくかが課題だ。長期的な影響も、引き続き見ていく必要がある」
(2016年2月19日 読売新聞)

肝移植患者、免疫抑制剤使わず2年以上生活 北大など発表(日本経済新聞 2016.2.19)

 北海道大と順天堂大の研究チームは18日、生体肝移植を受けた患者10人のうち7人が免疫抑制剤を2年以上使わずに日常生活を送ることができたと発表した。臓器提供者と患者本人のリンパ球などから培養した免疫細胞を使い、移植後の拒絶反応を抑えた。5~6月をメドに新たに40人の患者を対象とした臨床研究に着手する方針で、将来の保険適用につなげる。
 移植後の患者は通常、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を生涯飲み続ける。免疫力が下がるため、感染症やがんにかかりやすくなるほか、腎不全が発生する確率が高まる。
 研究チームは免疫抑制剤を投与しなくても済む新たな治療法の臨床研究に取り組んだ。
 移植前に肝臓提供者と患者の双方から取り出したリンパ球を混ぜる。抗体と呼ぶ特殊な物質を加え、他人の細胞を拒絶しにくい「制御性T細胞」を育てたうえ、移植後の患者の体内に戻す。当初は免疫抑制剤を使用するものの、徐々に投与量を減らし、18カ月後をメドに完全に中止する。
 臨床研究は30~60歳代の男女10人が対象となった。抑制剤の投与をやめた7人の患者に拒絶反応は起きておらず、移植した臓器も正常に機能しているという。研究チームは今後、脳死肝移植への応用をめざす。すでに免疫抑制剤を長期間服用している患者にも適用できるとみている。

生体肝移植の拒絶反応、薬なしで長期抑制 北大など発表(朝日新聞アピタル 2016.2.19)

スクリーンショット 2016-02-19 13.56.05.png 生体肝移植後の拒絶反応を免疫抑制剤を飲まずに抑える臨床研究に取り組む北海道大などの研究チームが18日、患者10人のうち7人で2年以上、薬の使用を中止できたと発表した。今後は約40人を対象に数年かけて有効性を調べる臨床研究を実施する。
■10人中7人が2年以上 脳死移植への応用検討
 移植後の拒絶反応は、提供者の肝臓を患者の白血球が「異物」とみなして攻撃することで起こる。患者は免疫抑制剤を生涯飲み続ける必要があり、感染症やがんのリスクのほか腎不全などの副作用もある。
 2010年に始まった臨床研究では、患者と臓器提供者の白血球を移植前に取り出し、提供者の白血球に放射線を当てて活性を無くした後、特殊な薬剤を加えて2週間培養。提供者特有の成分を患者自身のものと「勘違い」するような状態にする。移植から約2週間後に点滴で戻し、薬を段階的に減らす。
 研究チームによると、治療を受けた39~63歳の10人のうち7人が薬の中止から2年以上が経ち、うち4人は3年以上が経過。残る3人も薬を減らせたという。
 すでに肝移植をした患者に適用できる可能性があるほか、海外の機関と共同で脳死からの移植に応用できるかの検討を進める。

国内では現在、年間約400例の生体肝移植が実施され、5年後の生存率は約8割。会見した藤堂省(さとる)・北大名誉教授は「これまでは拒絶反応を抑える薬の進歩で移植後の生存率が伸びてきた。薬を使わないことは長年の夢であり喜ばしい」と話した。
 肝移植に詳しい湘南東部総合病院(神奈川県)の市田隆文院長は「世界的にもすごい成果。今後、長期間にわたり、拒絶反応が起きないかどうか注意深くみていく必要がある」と話す。

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