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 各検査項目の小児の基準値は性別、月齢・年齢によって異なります。こちらでは掲載しません。
詳しくは小児臨床検査基準値(国立成育医療研究センター)

T-Bil

 (総ビリルビン)ヘモグロビンなどに含まれている生成分解産物。ヘモグロビンは肝臓で処理され、胆汁として排泄されるが、その途中で障害があるとビリルビン値が上昇する。

D-Bil

 (直接ビリルビンまたは抱合型ビリルビン)総ビリルビンのうち、水溶性のビリルビンを直接ビリルビンまたは抱合型ビリルビンと言う。総ビリルビン値が高く、直接ビリルビン値もそれに伴って上昇している場合は肝炎や胆石、胆道がんなどが疑われる。 胆道閉鎖症の葛西手術の後は、直接ビリルビンが1を下回ることが、減黄の目安とされている。

I-Bil

 (間接ビリルビンまたは非抱合型ビリルビン) 総ビリルビンから直接ビリルビンを差し引いたものを間接ビリルビンまたは非抱合型ビリルビンと言う。総ビリルビン値が高く、直接ビリルビン値が上昇していない場合は間接ビリルビン値が高いことになる。この場合、肝臓の障害よりも赤血球が破壊されている(溶血性の貧血など)ことが原因となっている可能性が高いと考えられる。

LDH

 (血清乳酸脱水素酵素)LDHは肝臓、赤血球、筋肉、悪性腫瘍など身体中に広く分布するため、血清中のLDH活性の上昇はいずれかの組織に異常があることを示す。このためLDH検査は、どの組織が損傷しているかを知るためのスクリーニングテストとして利用される。

γ-GTP

 (ガンマジーティピー)肝臓の解毒作用に関係する酵素。肝臓や胆管の細胞が壊れることで血液中に流れ出すことから「逸脱酵素」といわれている。γ-GTPが高くなる疾患には、肝臓の細胞が破壊される肝炎、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝などがあり、胆石や胆道がんなどで胆道がつまった場合にも高値になる。他の肝臓データに比べてγ-GTPが特に高いときは、アルコールによる肝疾患が考えられる。

AST

 (エーエスティ=アスパラギン酸アミノ基転移酵素)GOTとも言われる。グルタミン酸とアスパラギン酸をオキサロ酢酸とαケトグルタル酸に相互変換する、細胞内の酵素。従来健康な人の場合、肝細胞が新陳代謝の過程で少しずつ壊れて、ASTやALTが血液中に流れ出すが、病気などにより細胞が早いスピードで壊れると血中濃度が上昇する。AST値を調べることで肝臓機能障害の程度がわかる。

ALT

 (エーエルティ=アラニンアミノ基転移酵素)GPTとも言われる。ASTとともに肝臓機能障害の指標となっている。ASTは肝臓、心筋、骨格筋に多く存在するが、ALTは肝臓の細胞にのみ存在する。そのため、特にALTはASTよりも肝臓特異的といえる。

ChE  

 (コリンエステラーゼ)肝臓や血清中に存在し、コリネステル類を分解する酵素。血清コリンエステラーゼ(ChE)活性は肝実質細胞の機能障害により低下するため、肝機能検査を目的に測定される。また、有機リン、カルバメート系薬物では血清ChE活性が著しく低下するため、これらに関係深い農薬や殺虫剤による薬物中毒検査にも用いる。

AMY

 (アミラーゼ)デンプンをブドウ糖に分解する酵素で、主に唾液腺と膵臓から分泌される。唾液腺や膵臓、卵巣などが障害を受けると、アミラーゼの値が高くなるため、その損傷の度合いを調べることができる。

NH3

 (アンモニア)体内のアンモニアは、蛋白質の代謝の過程で作られ、肝臓で尿素に合成され排泄される。したがって肝障害があると、血液中にアンモニアがたまり、高アンモニア血症となる。アンモニアの測定は、肝機能の指標になるとともに、治療の効果判定にも用いられる。特に、肝硬変や劇症肝炎などでは、血液中に多くのアンモニアが残り、意識障害を起こすことがある。これは肝性脳症と呼ばれ、肝硬変や劇症肝炎の重要な合併症である。

LAP

 (ロイシン・アミノペプチダーゼ)LAPは蛋白質を分解する酵素で、肝臓や腎臓、腸などに多く存在し、また胆汁にも含まれている。肝炎、肝硬変、肝がんなどで胆道が詰まり、胆汁の流れが障害されると、血液中に胆汁が逆流して、LAP値が上昇する。また急性肝炎や肝硬変でも上昇する。LAPとγ-GTP、ALPの3つは胆道系酵素と呼ばれ、3つ一緒に上昇することが多くなる。ただし、ALPはくる病など骨の病気でも上昇するが、LAPは骨の異常では上昇しないので、LAPとALPが一緒に上昇していれば肝臓・胆道系の病気、ALPだけが上昇していれば骨の病気であると推察できる。

ALP

 (アルカリホスファターゼ)ALPはリン酸化合物を分解する酵素で、肝臓や腎臓、腸粘膜、骨などで作られ、肝臓で処理されて胆汁中に流れ出る。胆石や胆道炎、胆道がんなどで胆道がふさがれて胆汁の流れが悪くなったり(胆汁うっ滞)、肝臓の機能が低下すると、胆汁中のALPは逆流して血液中に流れ込む。ALP値は、胆汁うっ滞では大きく上昇しますが、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などではあまり大きな上昇はみられないため、黄疸が現れた場合、その原因が肝臓にあるのか、胆道にあるのかを特定するのに有効である。AST(GOT)やALT(GPT)は、逆に肝炎などで大きく上昇し、胆汁うっ滞ではさほど上昇しないので、両者の検査値を比較することで、さらにわかりやすくなる。 なお、骨の成長とも関連しているため、成長期にある小児や思春期には、ALP値は成人よりも高い値を示す。