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お子様が胆道閉鎖症かもしれないと疑われたパパ・ママへ

はじめまして、肝ったママです。

 このサイトに来られた方には、今この時、お子様が胆道閉鎖症と診断された方もいらっしゃるかと思います。生後間もない赤ちゃんが採血で大泣きして、胸を締め付けられるような思いをしたママもいらっしゃるでしょう。あるいはまだ検査の最中で、医師からなんとも言えないと言われ、はっきりした情報もなく、ただただ不安がいっぱいで押しつぶされそうになっていらっしゃるのかも知れません。
 肝ったママは同じ道をたどってきた者として、アドバイスをさせていただきます。

(1)まずはパパもママもお気を鎮めてください

 一番難しいことですが、一番重要でもあります。これから赤ちゃんは沢山の検査をします。どれもこれも胆道閉鎖症を見極めるのに必要な検査です。時間がかかる採血に不安を覚えた方もいらっしゃるかと思います。赤ちゃんは血管が細いので、採血するのもプロとは言えども難しいのが事実です。検査のためには麻酔をかけて眠らせることもあります。どれも親には耐えがたいのですが、医師は赤ちゃんの病気を正確に調べるためにこれらの検査をするのです。この時点では病気を受け入れることは本当に難しいことです。でも、病気となった事実はもう変えようがないのであれば、親として出来るのは、赤ちゃんを応援し、より良い治療をうけさせることです。
 赤ちゃんは辛い検査も頑張っています。パパもママも一緒にこれから頑張るのです。気持ちが落ち着くまで大泣きしたら、赤ちゃんの側に戻りましょう。そして赤ちゃんの支えになってあげてください。本当にお辛い場合は、心療内科の医師やカウンセラーに話を聞いてもらうのも良いかと思います。

(2)ママは休養を取るようにしましょう

 大抵の胆道閉鎖症の赤ちゃんは、生後間もない時期に病気が発覚します。すなわち、母親の産後の体調が完全に回復しないうちに、お子様が入院となるのです。もともと出産は大変なことでもあり、また産後は人によっては産後うつの状態になっていたり、ホルモンのバランスがまだ安定していなかったりします。お子様が大変な中難しいとは思いますが、出来るだけママも休養を取ってください。パパも産後間もないママをいたわってください。
 検査の結果、胆道閉鎖症の可能性が高いと診断された場合、開腹して最終確認することがあります。開腹して胆道閉鎖症だと確定されたらそのまま手術となり、手術後も治療及び経過観察のため、当分入院生活となります。入院中も医師から治療方針について同意を求められたり、お子様の病状の説明をされることがあります。親がその時に倒れては赤ちゃんを応援する人がいなくなります。
 確かに1万人に一人と言う難病ですが、一人で闘っているわけでもなく、また一昔前に比べると医療も進歩しています。赤ちゃんを支えるためにも、ママは休養をきちんと取りましょう。

(3)主治医と信頼関係を築きましょう

 胆道閉鎖症は手術をした後も治療やアフターフォローが必要です。病院とは長い付き合いになります。主治医と信頼関係を築くことはお子様のためにもなります。わからないことや不安は主治医に質問をしましょう。検査結果が出るまでは、医師とは言えども断定することはできません。ですので、検査している間は親も何もわからず不安でたまらないとは思いますが、主治医にお任せして、診断結果が出るまで待ちましょう。
 診断結果がわかり、医師から病状や今後の治療方針について説明をうけると思います。わからないことや不明な点は、質問をすることが一番です。ネットでの情報収集も良いのですが、一番お子様の状況を理解しているのは主治医です。もし、主治医の説明がわからなかったり、治療方針に納得が行かず、セカンドオピニオンを求める場合も、正しいセカンドオピニオンの手順を踏むことをおすすめします。

(4)医療費助成について、病院のソーシャルワーカーや自治体保健所等に聞きましょう

 検査結果がわかり、病名が確定した頃には、少しずつですが親も現実を受け入れるようになります。気持ちが落ち着いてきたら、医療費助成について調べることをおすすめします。病院のソーシャルワーカーや、お住まいの自治体保健所等に聞くことも出来ますし、インターネットでも胆道閉鎖症が受けられる助成を調べることが出来ます。

(5)胆道閉鎖症について親も勉強しましょう

 病名が確定し、治療が始まりますと、親も落ち着いてきて、これからのことについて不安が出る頃です。主治医からも病気や治療方針について説明を受けていると思います。
 お子様の病状によっては早い段階で移植が考えられる場合もありますし、治療が順調に効果を出して退院する場合もあります。しかし、いずれにせよ一生付き合っていく病気ですので、お子様のためにも主治医と信頼関係を築き、この病気について親も勉強をすると良いでしょう。将来お子様が成長するにつれ、体調の自己管理を教えなければいけないからです。状態が良いからと勝手に検診に行かなくなったり、処方された薬を飲まなかったりすると、容態が悪くなった時にかかりつけ医がいなかったり、対処が遅れることがあります。
 病気であることは恥ずかしい事ではありません。病気ということを受け入れ、上手に主治医や病院と付き合っていくことがとても大事です。


 どれも難しいことですが、赤ちゃんを支え助けられるのは、ご両親です。病気を持って生まれたことが避けられないのであれば、親としてできるのは、より良い治療を受けさせてあげることです。胆道閉鎖症でも元気に成人し、結婚・出産された方も大勢います。元気に学校に通っているお子様も大勢います。ネガティブな考えは何の役にも立ちませんし、パパとママが先に参ってしまうと、赤ちゃんを応援できなくなります。医学は日々進歩しているので、あまり悲観になることもありません。

 医師もお子様を助けるべく、頑張っておられます。赤ちゃんも頑張っています。そして、あなたも独りではないのです…………。

肝ったママより

 はじめまして、肝ったママです。

 胆道閉鎖症は9000人〜1万人に一人の確率で生まれるとされます。原因は現時点ではまだ不明です。ですので、親御さんはご自身を責めることはございません。医療は進歩しており、1950年代に葛西手術が開発され、そして現在では肝移植が普及しており、救命率・生存率は上がってまいりました。定期的に通院観察・検査はするものの、元気で生活されている患者さん・お子さんも大勢おられます。
 しかし、やはり身近にある病気ではないため、生活していくうえで悩みや不安はつきものです。また、肝移植になる方もおられるため、色々と情報を知りたい方もおられるかと思います。
 肝ったママのPCサイトの方では、「情報ライブラリ」というコーナーを設け、そこには同じ胆道閉鎖症のご本人・ご家族の体験談やブログ、Q&A方式で生活上の不安や疑問のアドバイスを紹介しております。また医療費助成などのお役立ち情報や、研究会や学会の報告・学術論文なども紹介しております。

 また、mixiでは、胆道閉鎖症のコミュニティがあります。こちらで同じ仲間と交流できます。交流することで不安や悩みを聞いてもらったり、話したりできます。また、他の病院の情報や肝移植経験者のお話なども聞けます。肝ったママ関係者が管理しておりますが、肝ったママへの入会する必要は一切ございません。mixiへの会員登録は必要です。



こちらは、肝ったママ’sのAmeba blog「肝ったママじゃーなる」です。胆道閉鎖症や乳幼児肝疾患・肝移植に関するお話、医療関係のお話などをUPしております。