乳幼児の肝臓系の病気は、内科治療で改善する事もありますが、残念ながら手術、もしくは移植に至るケースが多いです。しかし、手術も早ければ早い程、予後(その後の生活)が違ってきます。
胆道閉鎖症は、胆汁が流れなくなる病気です。放置しておくと肝臓内に胆汁がたまり肝硬変となり、命を落とします。肝臓疾患は一旦病気が進行すると肝機能障害を伴います。早期発見で、一命をとりとめ治療でより良い回復が見込めます。
!!要注意!!
生後から3ヶ月にかけて以下の症状が2つ以上見受けられたら、「うんちのついたオムツ」を持ってかかりつけの小児科を受診しましょう。
(個人病院では採血出来ない場合があります。また、できれば小児外科を受診しましょう。)
(1)生後からの黄疸が引かない、一旦引いた黄疸が再度出て来た。もしくは肌が黒ずんで来た。
(2)うんちの色が薄い。もしくは、じょじょに薄くなった。
(レモン色、クリーム色、薄い黄色、薄い緑色)
(母子手帳の便色カードを参考にしましょう。)
(3)おしっこの色が濃い。
(オムツに黄色く、またはウーロン茶の様な色がついている)
(4)白目の部分が黄色い。
また、以下のような状況も、注意してください。(1)~(4)の症状の他にも、下記の症状が合わせて出ることもあります。
(5)お腹が異常に大きい、触ると硬い感じがする。
(肝臓が腫れている可能性有り、ガス溜まりかどうか医師に相談を!)
(6)顔や体を掻く、皮膚の湿疹やキズが治らない
(胆汁酸によるカユミか、アトピーによるものか医師に相談を!)
(7)ミルク/母乳をよく戻す。
(げっぷが上手くできない時があります)
(8)おっぱい、ミルクを沢山飲むので、一見健康に見える。
(脂肪を吸収できない為、体が欲して飲むが、体重はあまり増えない)
上記の症状は、一般の新生児にも出てくる事があります。しかし、生後間もなく消える子がほとんどです。生後に強く出る子もいれば、徐々に症状が出てくる子もいます。一ヶ月健診以降に出る場合もありますので、母子手帳の便色カードなどを参考にし、おかしいなと思ったら、医師に相談してみましょう。採血すれば、ビルビリン値(D-bil)が高いので、異常だと診断できます。小児外科医による精密検査(エコー、レントゲン、CT)が必要です。